チェロと合わせる

                 

そうだ!

チェロ、合わせよう。

JRのコマーシャルではありませんが、

ふと、それまでどこかに沈殿していた思いがポコッと頭をもたげ、

そう思うとなんとかしてみたいという思いが強くなった。

過去にチェロと合わせたことがないわけではありませんが、

数としてはほんとに少なく、

また、それほどの思い入れが特にあったわけでもない。

ギター室内楽として全般には大きな興味を持っていたが、

主にはヴァイオリンとフルートだった。

ギタートリオなど日本で出ている楽譜のほとんどは演奏したかもしれない。

今どのくらい出版されてにほんにあるのかわからない・・・。

とにかく毎年いろんな楽器との組み合わせで片っ端から演奏していた。

6年ほど前にチェロとより合わせてみたいなという思いにかられて、

チェロとギターという組み合わせで一歩踏み出してみた。

 まず一番問題だと思ったのが、

楽器の音量差のあまりの大きさだ。

その音量差を例えるなら象に子猫が飛び掛かるようなものだ。

当然子猫がギターだということ・・・。

練習で最初に合わせてみると、

フレーズによっては自分のギターの音が聞こえない・・・。

「ありゃ!!」覚悟はしていたがその差に驚いた。

これが初めてというわけではなく過去にも合わせたことはあるのだが、

それほど気にはならなかった。

いや気にしなかったといったほうがいいのかな。

そんなもんかなと思うと対象物にたいして深くはならないもんですね。

チェロの方がかなり音量を絞ってくれたこともある。

しかし、それだとどうもチェロ本来の音が若干失われるような気がして、

気にはなっていた。

しかし、そんなものかなと思っていると、

ま、深くはならない・・・のです。

改めて合わせようという気になって初めてこの時は、

「普通の音で弾いてください」と、恐れもなく言ってしまった。

「はい」ニコニコしながらチェロの方は返事をしてくれた。

その後、合わせるとこれがもうすごくて、

ギターの音は、蚊の鳴くような感じになってしまった。

この表現がぴったりだな。

この期に及んで、もう「やはり音を絞ってください」とは言いたくない。

もう少しなんとかならないものかなぁ・・・と、

いきなり真剣に考えてしまった・・・。

ここから試行錯誤が始まったのです。=つづく=



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