映画鑑賞記
「椿三十郎」観賞記
109シネマズ港北で映画「椿三十郎」を鑑賞した。
織田裕二の別の側面が見られる映画だ。
上役の汚職を正そうとする正義感にあふれた9人の若侍。
その危なっかしさを見るに見かねて命をかけてまで支援する浪人・椿三十郎。
時代劇によくある勧善懲悪型ではあるが、
私にはどうも会社におけるマネージャーと若手社員との関係に見えた。
彼らはやる気は満々だが思慮が浅く、
放っておくと何をしでかすか分からない。
下手に叱責すると反逆するかへこんでしまう。
上司としては自分でやったほうが早いが、
彼らの育成を考えると自主性を尊重することも必要だ。
失敗したときはその責任をかぶるというリスクもある。
そのジレンマの中でビジネスを成功させなければならない。
それでもうまくいった時は彼らと喜びを分かち合える。
しかし椿三十郎は組織に組み込まれて自己実現するタイプではなく、
枠にはまらない自由奔放な性格だった。
だから上司に実績を認められて昇進の機会を与えられても、
あっさり断ってしまう。
「本当に良い刀は鞘におさまっているものですよ」
という城代家老睦田の妻の言葉に、
「俺は良く切れるが鞘におさまっていない刀だ」と、
自嘲気味につぶやくところがこの映画のミソか。
この映画を見て、
「自分なんかはよく切れないけど鞘におさまっている刀だな」、
と思った。
それでもたまには鞘から出して斬らねばならない。
斬ってこそ刀と言えるのだから。
でも、いっそ三十郎のように鞘なんか捨て去って、
どこかへ飛んでいきたいよー!!