映画鑑賞記



                            


      
「東京タワー オカンと僕と、時々オトン(2007)」鑑賞記




東京タワー オカンとボクと、時々、オトン (2007)」を、

センター北にある109シネマズ港北で観賞した。

今回は原作小説を読んだことも無く、

テレビ版を見たこともなく全く先入観無しの鑑賞だった。

昭和40年頃から始まる時代背景には、

自分が生きてきた(もうちょっと前からだけど)時代を振り返らせてくれて面白かった。

ちょうど「三丁目の夕日」と同じような印象だ。

樹木希林の母親役の演技力はさすがという感じ。

そしてその若い頃の役を娘(内田也哉子)が演じていた。

私の奥さんに、「そんなことも知らなかったの?」

と、いうそぶりで教えてもらうまで全く知らなかった。

どおりで顔や話し方が似ているわけだ。


 息子役のオダギリジョーは大学生くらいからの登場で、

それなりに素朴で母親思いの優しさを出していた。

 遊び人の夫(小林薫)と別居し女手ひとつで一人息子を育ててきた母親が、

パートで得た収入の大半を東京の美大に通う息子につぎ込んでくれる。

息子はしっかり勉強し立派な社会人になることを心の支えに。

そんな思いとはうらはらに息子は遊びほうけていてマージャン、女、酒、

そしてサラ金と最悪の時をすごしていた。

おまけに留年が決まり中退すると言い出す始末。

母親はどんなにがっかりしたことか。

 それでも親とは有難いもので卒業するまで学費を支払ってくれるという、

(我が家にも私大生2人がいるが親心としては同じ思いだ)。

 そんな中、母親が癌になってしまうのだ。

これにはさすがの堕落息子もまいったようでようやく心のスイッチが入った。

母親は一旦治癒し、その後、東京に移り住み息子や息子の友達と楽しい時を過ごす。

しかしそんな楽しい時期もあっという間に過ぎてしまい、癌が再発する。

そこからは壮絶な癌との闘い。


 抗がん剤は想像を絶するような苦しみを与えた。

息子にはどうすることもできない。

その頃ようやく親父が妻に会いに来る。

時々、オトンのゆえんだ。

どこにでもあるような親子のドラマであるが、

「自分自身に置き換えて色々と考えさせてくれる」、

そんな作者や演出の意図を感じた。

ただ話題性がかなり高い映画の割には観客は少なくがら空きだった。

おそらく原作やテレビで十分堪能した人が多いからだろう。

でも娯楽性は十分にあるので興味ある方は是非見に行ってもらえばと思う。




           
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