映画鑑賞記特別編
「民音主宰2009年 第15回東京国際コンクール
<指揮部門>入賞デビューコンサート」鑑賞記
3月1日(月)は民音主催の、
「2009年 第15回東京国際音楽コンクール<指揮> 入賞デビューコンサート」
に行ってきた。
入場料は2500円とかなり安い(採算取れるのかな?)。
場所は初台にある東京オペラシティ コンサートホール。
ここは何年か前に野村ギタースクールの面々と、
金さんが出演した19世紀ギターコンサートに行った場所だ。
ただ、あの時は近江音楽堂という小ホールだったが、
こちらは1632席あるという大ホールだ。
変形ピラミッド型で天井がかなり高い。どれくらいあるのだろう。
30メートルor40メートル?
「とにかく高い」、としか言えない。
ステージ前の1階席の他、バルコニー席が2階、3階に、
そしてステージの奥、
中段(10メートル位のところ)にパイプオルガンが組み込まれているが、
その前にも座席がある。
ステージを取り囲むように座席が設置してあるのだ。
また、壁も座席もステージも全てが天然材で作られており、
ホール自体がさながら楽器のようになっている。
今回のコンサートは冒頭のコンクールに入賞した指揮者のデビューコンサートなので、
演奏というより指揮そのものを見るのがメイン。
曲目は以下。
・グリンカ:ワルツ・ファンタジー(幻想的ワルツ)ロ短調
・スヴィリードフ:「吹雪」~プーシキンの物語への音楽の挿絵~
1.トロイカ 2.ワルツ 3.春と秋 4.ロマンス 5.田園
6.ミリタリー・マーチ 7.結婚式 8.ワルツの響き 9.冬の旅
・チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調作品74「非愴」
第1楽章:アダージョアレグロ・ノン・トロッポ ロ短調
第2楽章:アレグロ・コン・グラツィア ニ短調
第3楽章:アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ ト単調
第4楽章:終曲 アダージョ・ラメントーソ ロ単調
ワルツが多かった。
聞いたことのある曲は殆どなかったけど、ワルツは聴きやすい。
ただグリンカの曲はあまり変化がなくて、危うく寝そうになった。
仕事で疲れた後に聞くコンサートなので、
自然と睡魔が襲ってきたのかもしれない。
「吹雪」は映画音楽だが、
厳しいロシアの自然の中を駆け落ちした男女が、
トロイカで駆けていくといった物語になっている。
情景が目に浮かび、なかなか面白かった。
このうち、「4.ロマンス」はキム・ヨナの演技にも取り入れたとのこと。
最後の「悲想」は約50分続く壮大な曲だ。
1893年にチャイコフスキーがこの曲を初演してから9日後に病死したという。
肝心の指揮者であるが、
彼は昨年の第15回東京国際音楽コンクール<指揮>で、
1位、2位無しの3位になったロシア(ミハイル・レオンティエフ)だ。
まだ28歳の青年だが、指揮は素晴らしかった。
余程有名な指揮者でない限り、
オーケストラで指揮者を意識することはないが、
今回初めて指揮者を集中して見た。
改めて、かなりの重労働であることがうかがえる。
そしていかに大事な役割かがわかった。
1、2、3、4と心の中で数えながら指揮者の動きをみるのだが、
つい合奏の練習を思い出してしまう。
途中で数えられなくなってしまった(合わせ初めの頃はいつもそうなる)。
当然ながら、指揮者の意図でテンポを変えているのだろう。
それでも全体の楽器が調和をしっかり保っているのがすごいと思った。
この指揮者のコンクールは日本では唯一であるが、世界でもまれなものらしい。
実際、続けるのが大変だという。
演奏の前に外山審査委員長(NHK交響楽団指揮者)が挨拶した。
1967年以降、3年置きに開催され昨年で15回になったこと、
そして民音の支援があってこそこれまで続けて来られたと感謝を述べていた。
あまりオーケストラのコンサートは行ったことが無かったけど、
これからはギターにかかわらず、
音楽の幅を広げるためにできるだけ参加したいものだ。