映画鑑賞記
                           
                             

                                   
                               




                           武士の家計簿」鑑賞記


             
           
 「武士の家計簿」をお正月映画第一弾として鑑賞した。

この映画で一番驚いたというのだろうか、

主演の堺雅人が主人公そのもの・・・。

本人の演技がうまいのかもしれないが、

時代の人の雰囲気までそのものっていうのはちょっとすごい・・・。


 従来のようなチャンバラなどの場面は全くなく、

大借金を抱えた武家の借金返済の苦闘の物語だ。

江戸時代の武士の家というものの実態が垣間見えて興味深い。


 加賀藩のいわゆる経理方の物語だ。

そろばん一つで録をもらっている。

どう見ても裕福な感じはしない・・・。

その家に湧いて出た大借金・・・。

家財道具は一切すべて売り払う。

残ったのはがらんとした屋敷の中だけ・・・。


 息子の元服の儀には親族同僚など呼んだのはいいが、

絵に描いた鯛を出す始末・・・。

まあ、なんというかの迫力はあった。


 しかし、そんな中でも息子との葛藤は存在してて、

ある日息子が銭を拾って自分のミスで失った、

出納帳の穴埋めに使ってしまった。

父親はその銭をもとの場所に戻して来いと命じると、

言い合いになり最後はそばにあったそろばんを壊してしまう。

なんだか切ない場面だった・・・。


 最後に出世した息子が老いた父親をおぶってお城に行く途中、

そういえば「父上におぶってもらったことがない」というと、

「そんなことはないおぶったことはあるぞ」と父親は言う・・・。

まあ、子供というのは覚えてないもんですな・・・。

ちょっとドキッとする会話ではあった。


 話は江戸時代の物ではあるが、

なんだか日本人の原点って感じがしてそこはそれで面白かった。

日本という国は実はこのくらいの暮らしが、

サイズ的にはあってるのかもしれないと思わせる映画だった。

 


  
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