映画鑑賞記
                           
                             

                                   
                               




              「マイウェイ 12000キロの真実」鑑賞記




 人種差別、暴力、裏切り、破壊、飢え、殺戮、そして少し友情・・・、

という印象の作品だった。

映像はなかなかだったが、

良くできたゲームソフトのようにも思えた。

戦争だから当たり前なのかもれないが、

人が虫けらのように殺されるシーンはどうも苦手だ。

その点では、同じ戦争映画でも、

「連合艦隊司令長官 山本五十六」の方が味わいがあった。


 本作は、オダギリ・ジョー演ずる長谷川辰雄と、

チャン・ドンゴン演ずるキム・ジュンシュクとの友情をマラソンを通して

描きたかったようだが、

その部分はむしろサブストーリーに思えた。

 想像力たくましいとも言えるが、

設定が極端すぎるきらいがあるからだ。

「なんでマラソン選手なの?」という感じ・・・。

日本人監督ならそんな発想は出てこないかも(いや、北野たけし監督なら別か)。


 気になるのは、韓国人俳優達のぎこちない日本語。

チャン・ドンゴンも頑張ってしゃべっているのだろうが、

朝鮮語のままの方が良かったのではないか。

ストーリーにすっきり入っていけないものがあった。

一方、オダギリ・ジョーの演技は良かった。

普段無口なイメージだが、さすがだ。


 撮影方法もかなり凝っている。

爆発シーンを目の前で撮影したところがあった。

カメラマンがカメラを背負って兵士と一体になって撮影したそうで、

見る側も、さながら戦場にいるような気になる(?)。

しかし確かに迫力はあったが、

レンズに土や水が直接かかるため、逆にカメラを意識させてしまう。

これはしゃあないか。

 ただ、12000キロという長大な移動の中で、

日本、ソ連、ドイツという3つの国の軍服を着て戦ったという史実は

興味深いものがある。

それとノルマンディー上陸作戦の映像も歴史の勉強にはなった。




  
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