映画鑑賞記
「東京家族」鑑賞記
1月26日(土)に、
町田グランベリーモールで映画「東京家族」を鑑賞した。
本作は1953年に上映された映画「東京物語」のリメイク版だ。
「東京物語」の監督は小津安二郎(故人)だったが、
本作は山田洋二監督ということで、
シリアスな中にも人情とユーモアが入り混じっている。
舞台は東京の郊外(多摩市)で、
開業医を営む平山幸一(西村雅彦)の家に、
老夫婦の平山周吉(橋爪功)・とみこ(吉行和子)が、
上京してくるところから始まる。
幸一は老夫婦の長男だ。
東京には長男夫婦の他に、
美容院を営む長女夫婦(中嶋朋子・林家正蔵)、
独身で舞台美術の仕事をしている次男(妻夫木聰)が住んでいる。
老夫婦は瀬戸内海の小島に二人だけで暮らしているのだが、
子供たちが全員東京に出てしまったので、
子供たちに会うため一大決心して上京してきたのだ。
初日こそ家族全員が集合してすき焼きを囲んだものの、
翌日に長男が横浜見物に連れて行こうとするのだが、
救急患者が発生し中止。
かわりに次男が、はとバス観光に連れていく。
昼食にウナギの料理店に入るのだが、
そこで周吉の説教が始まった。
出来の良い長男、長女に比べると、
ちゃらんぽらんな次男はいつも親父に怒られている。
仕事は見習いで先の見通しも立たず、
結婚もしていない次男は人生計画がなっていないというわけだ。
そんなひと時をすごし、今度は長女の家に。
長女夫婦はせっかく来てくれた両親をもてなそうとするが、
忙しくてなかなか相手ができない。
そこで考えたのが、横浜みなと未来にある高級ホテルへの宿泊だ。
長男とお金を出し合って招待する。
しかし、その場所はあまりにも喧騒で、
田舎者の夫婦には居心地が悪かった。
二泊三日のところが一泊で帰ってきてしまったのだ。
結局、長女の家に泊まろうとするが、
その日は商店街の寄り合いがあり、泊まることができない。
困った老夫婦、周吉は昔の教師仲間と再会しその家へ泊り、
とみこは次男のアパートに泊めてもらうことにした。
周吉は友人と居酒屋で飲む。
その後、友人宅に泊まるつもりだったが、
友人の都合で泊めてもらえなくなる。
それどころか飲み過ぎて悪酔いし、
タクシーで長女の家に深夜の帰宅。
おまけにゲロを吐いて店を汚すという始末。
一方とみこは、次男宅へ。
初めはゴミ箱のような生活を想像し、
掃除、洗濯、炊事などの面倒をみようと訪れたが、
次男の生活が意外ときちんとしていることに驚く。
実は次男には結婚を考えている彼女がいて、
身の回りの世話をしてくれていたのだ。
その日に突然彼女を紹介される。
そしてその気立ての良さに魅了されてしまう。
翌朝、長男宅に戻った老夫婦。
周吉は二日酔いでげっそりしている。
「良かった、良かった」と上機嫌のとみこは、
小学生の孫と遊ぶために二階の部屋へ・・・。
悲劇はその時起こった。
とみこが階段の踊り場で意識を失い倒れるのだ。
翌朝、とみこは亡くなってしまう。享年68歳・・・。
あとは劇場で見てほしい。
本作は、核家族と高齢化社会の問題点を描いているという。
今、まさに現代社会の問題となっている少子高齢化、そして介護。
さらには「無縁社会」という言葉も取り出さされている。
前作の東京物語は1953年に上映されたというが、
当時からこれらの問題は始まっていたということだ。
誰もが他人事ではないはず。
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