映画鑑賞記
                           
                             

                                   
                               



                    
アメリカンハッスル鑑賞記




 2月22日に南町田の109シネマズで映画「アメリカン・ハッスル」を鑑賞した。

本作は、1970年代後半に本当にあった、

「アブスキャム事件」という事件をモチーフに作られた。

この事件ではFBIのおとり捜査により、

マフィアともつながりのある窃盗グループと癒着している、

ニュージャージー州のカジノ管理委員会幹部、

同州カムデン市の市長、大物議員の汚職が次々と発覚し、

有罪判決を受けた。
 
 アブスキャム(ABSCAM)とは(ARABSCAM=アラブの悪業)の略称で、

FBIが大富豪のアラブ王族に扮して、

おとり捜査を行ったことから名付けられた。

つまりアラブの大富豪が経営する、

アブドゥール・エンタープライズという架空の投資会社をデッチあげて、

政治家に贈賄を持ちかけたのだ。

話を持ちかけたのは2014年現在も生存してるメルヴィン・ワインバーグ。

ワインバーグは6歳の時から詐欺をやっていたいう筋金入りの詐欺師である。

 映画の中では、

詐欺師はアーヴィン・ローゼンフェルド(クリスチャンベイル)という名前で登場する、

出っ腹でバーコードハゲのさえない男だが、詐欺にかけては天才なのだ。

何故詐欺師がFBIの片棒を担いでいるかというと、

愛人の偽英国女のシドニー(エイミー・アダムス)と、

詐欺を働いているうちにFBIに捕まり、

おとり捜査に協力するかわりに無罪放免にしてもらったからだ。

ちなみに「ハッスル」というのは「詐欺」を意味する。

ハッスルといえば「頑張る」ぐらいのイメージしかなかったが、

こんな意味もあったのだ。

 アーヴィンとシドニーは、偽のアラブ大富豪をだしに、

アトランティック・シティのカジノの利権に群がる政治家と、

マフィアを罠にハメるという行動に出る。

馬鹿げた投資話のはずなのに、カーマイン市長(ジェレミー・レナー)が話に乗ってきた。

おまけにマフィアまでが・・。

彼らを操っているのは、母親と同居し、髪にカーラーを巻いている、

いかれた捜査官のリッチー(ブラッドリー・クーパー)だ。

リッチーは政治家やマフィアをハメる為に、

高級ホテルを貸し切りにするための高額な費用が必要だ。

しかし、上司に電話で交渉すると、取り合ってくれなかったため、

血が上ったリッチーは上司の部屋に乗り込んでき、

事務用電話で頭を殴りつける。

日本でこんなことやったら懲戒免職ものだが、

当時のアメリカではおとがめが無かった。

結局、上司の上司に認められ、偽のアラブの大富豪を呼んで、

高級ホテルで市長やマフィアを相手に交渉するのだが、

さすがにマフィアのボスは役者が違った。

そもそもこの大富豪は、FBIの捜査官であり、

アラブ人でもない(メキシコ出身だったような)。

当然、アラビア語などしゃべれるはずもない。

疑わしいと思ったボスが、本当にアラブ人かどうかカマをかける。

アラビア語で話しかけてくるのだ。

流れる沈黙(結構こわい)・・・。

ところがこの偽アラブ人、アラビア語をしゃべるのだ。

さすがにマフィアのボスも騙されてしまった。

しかし、それでも慎重なマフィアは、

一部の金を先に振り込むよう言ってきた。

FBIが用意した資金が政治家やマフィアに流れる。

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詐欺師アーヴィンには、美人で若いが、躁うつ病の妻、

ロザリン・ローゼンフェルド(ジェニファー・ローレンス)と一人息子がいた。

この妻がいつもアーヴィンの仕事の邪魔をする。

マフィアとの交渉の場に乗り込んできて、

夫の悪口を言ったり、マフィアの幹部と良い仲になり、

暴露話をするのだ。

自宅に戻ると二人は大喧嘩になる。

さらに愛人のシドニーがリッチーと仲良くなり、

アーヴィンとの間に隙間風が吹くようになってしまう。

アーヴィンに、妻と別れて自分と一緒に住む事を提案したのに、

承諾してくれなかったためだ。

殺伐とした空気の中で、おとり捜査の仕事に取り組むうち、

いよいよ大物政治家が逮捕されることになる。

しかし、マフィアからは逮捕者が出なかった。

警戒心が働き、結局お金が流れなかったのだ。

一方で、おとり捜査を持ちかけたリッチーが、

アーヴィンと寄りを戻したシドニーに逆にはめられ、

首になってしまう。

二人は結局一人息子を連れて3人で海外へ。

ロザリンはマフィアの幹部と、

リッチな生活に入る(なぜか鞭打ち症になっていたが)。

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ざっとこんなストーリー。

このところ日本映画ばかりだったのが、久しぶりにアメリカ映画を鑑賞した。

かなりハチャメチャな内容だが、アメリカらしい映画でもあった。

 ちなみにロザリンのモデルになった詐欺師メルヴィンの妻、

マリーは実際にはもっと歳を取っており、

詐欺師の稼いだ金で遊んでいるという、

世間の非難を浴びて自殺したそうだ。

実際には自殺の2年前に離婚しており、

遊んではいなかったようだが。




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