コーヒーを飲みながら
          
    
        

       =アンサンブルの迷宮=

 神奈川ギターフェスティバルにアンサンブルヴェルデが参加して、

ステージでのアンサンブル演奏となったわけですが、

演奏が終わって、この時の感想が届いたのですが、

これが非常に興味深い感想でした。

 参加した方いわく、

「なんだか練習の時とは違った音が聞こえた」

というものです。

これは確かに起こりうることだなと思いましたが、

練習の時に聴こえてる音と、

実際にステージに立ってみると、

練習の時とはなんだか違った音が聴こえてくるのです。

これは自分自身もかつて経験したことなのですが、

なんだか普段の練習の時とは、

違う音が聴こえてくるんですよね。

しかも、同じパートを弾いてる人と合ってるのかどうか、

自信が無くなる感じがしてくるんですね。

実際は客観的に聴いていて、

特にズレというのはないんですが、

弾いてる本人には、

普段の練習とは違った音が聴こえてくると、

「えっ!!」という感じにさせられるんですね。

なんだか思い切って弾けなくなるんですよ。

これは大アンサンブルの魔宮とでもいうのでしょうか、

普段小さなスペースで練習してる時は、

自然にほかのパートも聴けてるんですね。

しかし、ステージのような広い空間になると、

第一アルトからバスギターまでの音が、

明確に聴こえるわけでもなく、

いやに自分の音が目立って聴こえてくるんですね。

そうなるとなんとも言えない不安感に襲われたりです。

普段通りのリズムテンポで弾いてるのですが、

合ってるのか不安にかられるんですよね。

普段気にしてもいない両隣の音が、

異様に大きく聴こえてきたり、

さらに少し離れた音も聞こえてきたりすると、

はたして自分の弾いてる音が、

アンサンブルの中で合ってるのかどうか・・・。

なんとも言えない感覚になります・・・。

実際は何の問題もなく合わせられているのですが、

思わず音を小さくして弾いてしまったりします。

本人にしたら「怖!」という感覚になるんですね。

アンサンブルの魔宮に入り込んでしまったという状態です。

実際、まったく問題なく合っていて弾けているのですが、

大合奏では、時々聞く話ではあります・・・。

人間の感覚というのは不思議な面がありますよね。

 今はアンサンブルブラウの練習が始まりました。

どのように仕上がっていくのかこれも楽しみですね。


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